【全22種 AI資格掲載中】国内外のAI資格を徹底調査しました

昨今、「AI」と言う言葉を聞かない日はないほどにAIブームが加速しています。それによりAIや機械学習について勉強したいと思う方が増えたことは間違いありません。最近では「AI資格」と呼ばれる資格試験も誕生し始め、多くの方が受験されています。例えば、一般社団法人日本ディープラーニング協会が主宰するG検定では2020年11月時点で累計受験者数が47375人に上っています。(参考:G検定とは?

AI資格とは?
機械学習の実装、理論や歴史、また機械学習の実装に深く関係する統計学やプログラミング言語(ライブラリを含む)の基礎的な知識などを客観的に測る目的とした資格を本稿では「AI資格」とします。また、「機械学習資格」などとも呼ばれます。

本稿を読まれている方の中にも「AI資格」を取得したいと考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか?

AIの関連領域は多岐に渡ります。AI資格も機械学習の基礎的な領域を問うものから、コーディングのような実装的な領域を問うものまで幅広く存在しています。そのため、AI資格を取得したいと考えた際に、どの資格を取得すべきか分からないという状況に陥りやすくなっています。

本稿では国内外のAI資格を徹底調査しました。本稿を読んだみなさまがAI資格を受験される際に、判断材料の一つにしていただけたら幸いです。

日本語で受験可能なAI資格一覧

現在、世界中でAIに関連した資格や講座が存在しています。その中でもまずは国内のAI資格に目を向けてみましょう。AIを勉強する上ではライブラリの公式ドキュメントの読解など、英語の能力が求められる場面が多々存在します。しかし、いきなり海外資格に挑むことは、AIをこれから勉強する人や英語が苦手な人にとっては非常に高いハードルです。そのため、まずは日本語で受験可能なAI資格を探して見ることをオススメします。

国内でも一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)をはじめ、多くの団体がAI資格を主宰しています。本稿ではそれらを「AI実装関連資格」「クラウド系AI資格」「統計系AI資格」「その他AI資格」として紹介していきます。基礎、実装、統計、画像、様々な分野でAI資格は存在するため、ご自身が身に付けたい領域と比べながら1つ1つ見ていきましょう。

AI実装関連の資格

まずはAI実装関連の資格です。AI資格の中では最も機械学習の根幹に近い分野を対象にした試験です。他の分野との組み合わせが少なく、試験内容も理解しやすいです。初学者の方や、機械学習を使用する目的がまだ決まってない方でも受験しやすい資格です。

G検定(ジェネラリスト検定)

G検定は2017年にスタートした資格で、一般社団法人日本ディープラーニング協会が主宰しています。2020年11月時点での累計受験者数は47375人と非常に多くの方が受験されており、国内のAI資格の中では認知度が非常に高い資格となっています。G検定はディープラーニングを事業活用する人材(ジェネラリスト)を認定するための検定として行われていて、後述するE資格とは違い受験資格に制限がありません。また、コーディングの問題がないという特徴があります。そのため、機械学習に対する知識がない方や、初学者の方でも受けやすい試験です。

公式にG検定の例題や推薦図書などが紹介されており、AI資格の中でも勉強のための情報が多い試験です。勉強法や体験記をあげている方も多いので、それらを参考にしながら勉強することができます。毎回の試験で合格率は60%近くに達します。そのため、しっかりと試験対策を行った方にとっては難易度はそこまで高くありません。(参考:JDLA試験実施レポート_202011版v2.pdfG検定の例題推薦図書

AIマガジンでも過去に今注目のAI関連資格「G検定」とは?合格者が勉強法を徹底解説!
で、実際にG検定の合格者が試験内容から勉強方法まで徹底解説しています。こちらの記事も参考にしながら、G検定への対策を行ってみてください。

主宰 一般社団法人日本ディープラーニング協会
公式URL https://www.jdla.org/certificate/general/
受験資格 誰でも受験可能
試験日程 年3回程度
試験形式 オンライン
試験時間 120分
受験費用 一般:12000円/学生:5000円

E資格

E資格もG検定と同様に一般社団法人日本ディープラーニング協会が主宰しています。G検定と同様に国内のAI資格の中では認知度が高い資格です。E資格はディープラーニングを実装する人材(エンジニア)を育成するための資格として位置付けられています。そのため、エンジニアとして機械学習に関する能力を証明したい方向けの試験です。

試験では機械学習の基礎からディープラーニングの実装までの能力を問われます。毎回の試験の合格率は65%近くになります。試験自体の難易度は高くないように感じますが、E資格の受験者は全員JDLA認定プログラムを修了しています。これからE資格に挑戦しようとしている方もJDLA認定プログラムを修了する必要があります。

受験資格が存在するという点が、E資格とG検定の最も大きさな違いです。E資格ではJDLAの認定プログラムの修了が必須になります。JDLA認定プログラムは認定プログラム公式一覧よりご確認いただけます。認定プログラムは数多く存在し、ご自身にあったプログラムを選択する必要があります。期間が長く網羅的に勉強するものから、短期間で集中的に勉強するものまで様々なので、よく検討した上で選びましょう。(参考:認定プログラム公式一覧

主宰 一般社団法人日本ディープラーニング協会
公式URL https://www.jdla.org/certificate/engineer/
受験資格 JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること
試験日程 年2回程度
試験形式 会場受験
試験時間 120分
受験費用 一般:33000円/学生:22000円/会員:27500円

AI実装検定

(引用:AI実装検定

AI実装検定は「AIを100万人が学ぶこと」を意義に設立されたStudy-AI株式会社が主宰している検定です。AIの実装検定の特徴は以下の3点になります。
1. ディープラーニングの実装に必要な数学の知識
2. ディープラーニングの実装に必要なプログラミングの知識
3. ディープラーニングの実装について基礎理論の理解

レベル別にB級、A級、S級と3つの級が存在するため、ご自身のレベルにあった検定を受験することが可能です。AI実装検定は中学校までの義務教育を受けていれば誰でも挑戦することができると記載されています。そのため、G検定と同様に初学者の方も受験しやすい試験です。

主宰 Study-AI株式会社
公式URL https://kentei.ai/
AI実装検定 B級

(引用:AI実装検定®B級

B級はAIの知識が全くない入門者でも気軽に挑戦できる位置付けになっています。公式の試験レベルによると、G検定の範囲と比べても10倍範囲が狭く、想定勉強時間も5時間に設定されています。試験時間も40分、受験費用も2200円と非常にお手頃なため、機械学習にまず触れてみたい方向けの試験です。

Youtubeに公式教材がアップされているため興味がある方は確認してみてください。(参考:公式教材

受験資格 誰でも受験可
試験日程 年1回程度
試験形式 オンライン
試験時間 40分
受験費用 2200円 2022年より一般:9900円/学生:5500円
AI実装検定 A級

(引用:AI実装検定®A級

A級はE資格の認定プログラムに挑戦できるレベルに位置づけれられています。試験自体もB級よりもディープラーニングの基礎知識やプログラミングの実装能力が要求されます。それでも、E資格と比較すると試験時間も短く、受験費用も抑えられています。E資格の認定プログラムを受ける前にディープラーニングの知識をある程度身に付けておきたい方向けの試験です。

A級の公式教材として「超入門AI講座(有料)」が紹介されています。こちらも是非確認してみてください。(参考:超入門AI講座(有料)

受験資格 誰でも受験可
試験日程 年2回程度
試験形式 オンライン
試験時間 60分
受験費用 3850円 2022年より一般:14850円/学生:8250円
AI実装検定 S級

(引用:AI実装検定®S級

S級はAIの実装力に加えて画像処理をメインとした応用的な分野への実装能力が求められています。公式の試験レベルによると、E資格に比べて試験の範囲は狭く、実装の難易度は同程度のものに設定されています。そのため、E資格の認定プログラムを受講しながら、並行して取得を目材したり、E資格の受験前に実力を図りたい方向けの試験です。

S級の公式教材として「画像処理100本ノック」や「ディープラーニング∞本ノック」が紹介されています。これらの教材はPythonの実装能力向上にも非常に役に立ちます。こちらも是非挑戦してみてください。(参考:画像処理100本ノックディープラーニング∞本ノック

受験資格 誰でも受験可
試験日程 年1回程度
試験形式 オンライン
試験時間 60分
受験費用 5500円 2022年より33500円

クラウド系AI資格

クラウド(クラウド・コンピューティング)とは、利用者側がソフトウェアやサーバなどのネットワークを持たずとも、インターネットを通じて利用できるサービス全体のことを指します。また、利用できるサービスのことをクラウドサービスと呼びます。クラウドについて深く知りたい方は下記リンクを参考に調べてみてください。(参考:クラウド(クラウドサービス)とは?(AWS)

クラウド系AI資格では主に、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure(Azure)、Google Cloud Platform(GCP)などのクラウドサービスに関連した資格を取り上げました。ここ数年クラウドの市場は右肩上がりで成長しています。特に、大企業の約87%がクラウド環境を利用したシステム開発を推進しています。(参考:国内クラウド市場は2024年に5兆円超え(株式会社MM総研)

これらは、AIや機械学習の分野でも例外ではありません。今後、クラウド環境を利用した機械学習関連の開発は増えていくと予想されます。そのため、クラウド系のAI資格は現状のニーズに非常にマッチした資格と言えます。

AWS 認定機械学習専門知識(Machine Learning Specialty)

(引用:AWS認定

AWS 認定機械学習専門知識は国内のクラウドサービスの利用率で1位のAmazon Web Service(以下AWS)による認定資格です。AWSはこの試験によって検証される能力は下記のように設定されています。

  • 与えられたビジネスの問題に対し、適切な機械学習のアプローチを選び、その理由を説明できる
  • 機械学習を用いた解決策の実装に適したAWS のサービスを選択する
  • 拡張性、コスト効率、信頼性、安全性に優れた機械学習の解決法を設計し、実装する

また、推奨とされる知識と経験としては下記のように設定されています。

  • AWSクラウドでの機械学習/深層学習ワークロードの開発、設計、実行における、1~2 年の経験
  • 基本的な機械学習アルゴリズムの基となる考えを表現する能力
  • 基本的なハイパーパラメータ最適化の実践経験
  • 機械学習および深層学習フレームワークの使用経験
  • モデルトレーニングの最も効率の良い手法を実行する能力
  • 配置と運用の最も効率の良い手法を実行する能力

これらの記載をみても分かるように、機械学習の知識だけでなく、AWSや実務の能力も要求されます。そのためAWSを実際に業務で使用されている方、機械学習とAWSを同時に勉強したい方向けの試験です。

試験は100~1000点の範囲で評価され合格ラインは750点です。試験ガイドやサンプル問題、模擬試験は提供されています。それらを活用しながら合格を目指しましょう。(参考:試験ガイドサンプル問題

主宰 Amazon Web Service
公式URL https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-machine-learning-specialty/
受験資格 誰でも受験可能
試験日程 随時
試験形式 テストセンター又はオンライン
試験時間 180分
受験費用 30000円(模擬試験:4000円)

Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals

試験 AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals

Microsoft Certified: Azure AI Fundamentalsは国内のクラウドサービスの利用率で2位のMicrosoft Azure(以下Azure)の認定資格です。Microsoft Certified: Azure AI Fundamentalsの資格を獲得するためには試験 AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentalsに合格する必要があります。この資格によって評価されるスキルは下記のように設定されています。

  • AIワークロードと考慮事項について説明する
  • Azureでの機械学習の基本原則について説明する
  • Azureのコンピュータービジョンワークロードの機能について説明する
  • Azureの Natural Language Processing (NLP) ワークロードの機能について説明する
  • Azure での会話型AIワークロードの機能について説明する

AzureとはMicrosoftが提供するクラウドコンピューティングサービスのことです。試験対策としては提供されているラーニングパスを利用して試験に必要な知識を身につけることができます。機械学習の基礎的な知識をAzureを利用して勉強したい方向けの試験です。

主宰 Microsoft Azure
公式URL https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/certifications/azure-ai-fundamentals/
受験資格 誰でも受験可能
試験日程 随時
試験形式 不明
試験時間 60分
受験費用 12500円

Professional Data Engineer

Professional Data Engineerは国内のクラウドサービスの利用率で2位のGoogle Cloud Platform(以下GCP)の認定資格です。データを収集、変換、公開して、データに基づく意思決定ができるようにすることが求められます。この試験での評価は下記のように設定されています。

  • データ処理システムの設計
  • データ処理システムの構築と運用化
  • 機械学習モデルの運用化
  • 解決のための情報システムの品質の確保

データ分析の基礎技術に加えてGCPの知識も必要になります。そのため、それらの知識を業務で使用されている方、それらの知識を学びたい方向けの試験です。対策本が少ないため、ぜひ以下のリンクを活用して勉強を進めてみてください。また、GCP公式に模擬試験も存在しています。これらもうまく活用して勉強を進めてみてください。(参考:GCPの公式ドキュメント過去の受験者の記事(引用:アクセンチュア株式会社)模擬試験

主宰 Google Cloud
公式URL https://cloud.google.com/certification/data-engineer?hl=ja
受験資格 誰でも受験可能
試験日程 随時
試験形式 テストセンター又はオンライン
試験時間 120分
受験費用 $200

統計系AI資格

統計系AI資格では主に統計学の資格を取り上げました。機械学習の急速な進歩に伴い、「統計」という言葉を耳にする機会が増えたと思います。数学的な内容が主になるため、苦手意識を持たれる方も多いかもしれません。しかし、統計は機械学習の根本を理解する上で重要な知識です。特に、データサイエンティストを目指される方には重要な分野になるため、確実に押さえておきましょう。

統計検定

(引用:統計検定

統計検定は、一般財団法人 統計質保証推進協会が主宰している統計に関する知識や活用力を認定するための試験です。4級、3級、2級、準1級、1級と難易度が別れているため、自分にあった難易度からスタートすることができます。統計検定は、統計に関する知識や活用力を認定するための試験です。最近では本稿を含む多くのネット上の記事で、統計検定がAI資格として紹介されています。

データ分析では機械学習を使用する前段階で、統計的な見方から正しくデータを読み取ることが要求されます。そのため、統計学は確実に理解する必要があるのです。統計検定はそうしたデータ分析を行い、機械学習に繋げたい方、データサイエンティストになりたい方向けの試験です。

AIの人気により統計検定を知った方もいると思います。しかし、統計検定自体は2011年に発足、G検定の6年前から存在しています。元は大学における統計教育の成果と統計分野の能力を測る手段として構想されました。それほど前から統計分野の重要性は指摘されていたということです。AIブームにより、統計学がAIの派生として存在しているように誤認されることがあります。本稿を読んでいる皆様には統計学がAIの基礎部分に存在するということをご理解頂けたら幸いです。

過去問題や公式問題集も存在するため、比較的対策は行いやすいです。しかし、2021年度を持って1級以外は、従来の試験形式であるPBT方式を廃止し、全面的にCBT方式に移行します。そのため、試験問題や出題形式の変化などには十分に注意してください。(参考:過去問題公式問題集

主宰 一般財団法人 統計質保証推進協会
公式URL https://www.toukei-kentei.jp/

統計検定(PBT方式)公式
統計検定(CBT方式)公式

統計検定 4級

4級は「データと表やグラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中で求められる統計活用力を評価し、認証するために検定」と記載されています。2019年11月の試験での受験者数は422名、合格率は56.2%でした。統計検定の中では最も初歩的な試験であるため、統計リテラシーの基礎を学びたい方、初めて統計検定を受験されたい方向けの試験です。4級では主にグラフの見方やデータの代表値などの統計学の基礎的な部分が出題されます。

受験資格 誰でも受験可
試験日程 随時
試験形式 会場受験(CBT方式)
試験時間 60分
受験費用 一般:5000円/学生:3500円

4級の概要(CBT方式)

統計検定 3級

3級は「大学基礎統計学の知識として求められる統計活用力を評価し、認証するために検定」と記載されています。2019年11月の試験での受験者数は1907人、合格率は61.8%でした。4級に合格した方、大学などで少し統計に触れている方向けの試験です。3級では2級の内容に加え、相関係数や回帰直線、正規分布などの内容が含まれます。

受験資格 誰でも受験可
試験日程 随時
試験形式 会場受験(CBT方式)
試験時間 60分
受験費用 一般:6000円/学生:4000円

3級の概要(CBT方式)

統計検定 2級

2級は「大学基礎課程(1・2年次学部共通)で習得すべきことについての検定」と記載されています。統計検定を受験される方の中には2級から受験し始める方も多くいます。2019年11月の試験では受検者数が2369人と統計検定の中で最多でした。また同試験での合格率は41.7%となっています。大学で基礎統計学を学んでいる方、データ分析に普段から触れている方向けの試験です。2級では3級の内容に加え、ベイズの定理やカイ二乗検定、t分布などの内容が含まれます。

受験資格 誰でも受験可
試験日程 随時
試験形式 会場受験(CBT方式)
試験時間 90分
受験費用 一般:7000円/学生:5000円

2級の概要(CBT方式)

統計検定 準1級

準1級は「大学において統計学の基礎的講義に引き続いて学ぶ応用的な統計学の諸手法の習得について検定」と記載されています。2019年6月の試験では受験者数が853人、合格率が21%と2級に比べて難易度が大幅に上がっています。大学で統計を専門的に学んだ方、統計スキルを証明したい方向けの試験です。準1級では2級までの基礎知識を用いて実社会の問題を例に適切な統計学の手法の選択が求められます。

受験資格 誰でも受験可
試験日程 年1回(2021年からCBT方式開始)
試験形式 会場受験(2021年からCBT方式開始)
試験時間 120分
受験費用 8000円

準1級の概要

統計検定 1級

1級は「大学専門課程(3・4年次)で習得すべきことについて、専門分野ごとに検定」と記載されています。準1級までとは異なり、試験が「統計数理」と「統計応用」の2つに別れます。1級の取得には2つの試験で合格点を取ることが必要になります。2019年11月の試験での受験者数は「統計数理」が878名,「統計応用」が793名、合格率は「統計数理」が23%,「統計応用」が15.8%でした。難易度が非常に高いため、大学で統計を専門的に学んだ方、統計を実務で使用されている方向けの試験です。

1級の「統計数理」では5問出題された中から3問を選択します。「統計応用」では人文科学、社会科学、理工学、医薬生物学の4分野に問題が別れており、1分野を選択します。その上で、選択した分野で5問出題され、3問を選択します。そのため、1級を受験される方は分野ごとの問題内容を確認し、どの分野を選択するか検討する必要があります。

受験資格 誰でも受験可
試験日程 年1回
試験形式 会場受験
試験時間 「統計数理」:90分/「統計応用」:90分
受験費用 10000円/(片方のみは6000円)

1級の概要(PBT方式)

統計士(現代統計実務講座)

現代統計実務講座は文部科学省に認定された統計学分野の通信講座です。8つの単元を1ヶ月ごとに学習します。各単元の報告課題と報告課題と週末試験に合格することで、現代統計実務講座の修了証明書と統計士の認定を受けることができます。統計初心者が対象になっているため、時間をかけて確実に統計の知識を身に付けたい方向けの講座です。

主宰 一般財団法人 実務教育研究所
公式URL https://www.jitsumu.or.jp/courselist/statistics
受験資格 誰でも受験可能
試験日程 随時
試験形式 通信講座
講座期間 標準学習期間8ヶ月
講座費用 60140円(一括払い)

データ解析士(多変量解析実務講座)

多変量解析実務講座は文部科学省に認定された多変量解析分野の通信講座です。4つの単元を1ヶ月ごとに学習します。各単元の報告課題と終末試験に合格することで、多変量解析実務講座の修了証明書を取得することができます。その後、認定試験合格者はデータ解析士の認定を受けることができます。統計中級者が対象となっており、統計技法を活用したいと考えている方向けの講座です。

多変量解析実務講座は現代統計実務講座の1段上のレベルです。現代統計実務講座ではパソコンや統計ソフトを使用せずに受講できるのに対して、多変量解析実務講座は主にExcelを使用して学習を進めます。また、多変量解析実務講座では回帰分析の基礎から応用を集中的に学習します。

主宰 一般財団法人 実務教育研究所
公式URL https://www.jitsumu.or.jp/courselist/analyze
受験資格 誰でも受験可能
試験日程 随時
試験形式 通信講座
講座期間 標準学習期間4ヶ月
講座費用 54840円(一括払い)

その他AI資格

「その他AI資格」では「Python3エンジニア認定データ分析試験」と「画像処理エンジニア検定」を取り上げました。どちらの資格も機械学習を勉強する上で重要な領域をカバーします。機械学習の勉強をしている中で、よりPythonでの実装力を身に付けたい方や、画像分野への応用を考えている方は是非確認してみてください。

Python 3 エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験はPythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験です。Pythonは機械学習を勉強していく上で重要なプログラミング言語です。特に、Pythonで使用される機械学習向けライブラリを使用できるようになることは必須スキルと言えます。そのため、Pythonの基礎やライブラリを使用したデータ分析の基礎を身に付けたいという方に人気の試験です。

問題数は40問、合格ラインは正答率が70%以上です。主教材も公式から発表されており、「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」が推奨されています。そのほかにも認定スクールであるPRIME STUDY(プライム・スタディ)が模擬試験を提供しているので参考にしてみてください。(参考:Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書PRIME STUDY(プライム・スタディ)

主宰 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
公式URL https://www.pythonic-exam.com/exam/analyist
受験資格 誰でも受験可能
試験日程 随時
試験形式 テストセンター(CBT方式)
試験時間 60分
試験費用 一般:10000円/学生:5000円

画像処理エンジニア検定

画像処理エンジニア検定は公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)による、画像処理分野の開発、設計に必要な知識の習得を評価する検定です。画像処理分野は機械学習、特にディープラーニングの領域で非常に注目を集めています。そこでは、画像分類、物体検出、画像生成など様々な応用方法が期待されています。しかし、画像処理分野は必要とされる基礎知識が多いため、別途学習が必要です。そのため、画像処理エンジニア検定は機械学習で画像処理分野に挑戦したい方や画像処理分野にすでに馴染みのある方向けの試験です。

レベルはベーシックとエキスパートに別れており、それぞれ年2回開催されています。過去2年分の試験問題や対応書籍も掲載されているため、これらを活用しながら勉強することができます。(参考:過去2年分の試験問題対応書籍

主宰 公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)
公式URL https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/img_engineer/index.html
画像処理エンジニア検定 ベーシック

ベーシックでは画像処理の基礎的な内容を問います。2020年度後期の試験では受験者数は677人、合格率は68.95%であったため難易度は比較的低めです。そのため、画像処理に興味を持たれている方や、画像処理エンジニア検定を初めて受ける方向けの試験です。

受験資格 誰でも受験可能
試験日程 年2回
試験形式 会場受験
試験時間 60分
試験費用 5600円

ベーシックの出題範囲

画像処理エンジニア検定 アドバンス

アドバンスは画像処理の専門的な知識と応用を問う試験です。ベーシックよりも難易度は高く、2020年度後期の試験では受験者数は557人、合格率は42.83%でした。そのため、画像処理の分野をすでに勉強されている方や、ベーシックに合格された方向けの試験です。

受験資格 誰でも受験可能
試験日程 年2回
試験形式 会場受験
試験時間 80分
試験費用 6700円

エキスパートの出題範囲

英語で受験可能なAI資格一覧

国内だけでなく海外にもAI資格は多く存在します。海外の資格では英語の受験が求められるため、日本語での受験に対してレベルが上がります。そのため、英語力に自信のある方や、もう一段レベルの高い機械学習エンジニアを目指している方は是非挑戦してみてください。

海外資格は国内の資格と違い、試験形式ではなくコース形式になっている場合が多いです。1つの認定証明書を得るために複数のコースの修了が必要な場合もあります。そのため、金額が高額になったり、学習時間が数ヶ月に及ぶ場合があります。ご自身で受講されたいコースをよくご確認してから受講しましょう。

本稿では下記に英語で資格可能な資格・講座を記載しました。下記以外にもAI資格は多数存在するので興味がある方はご自身で調べてみてください。

資格名 主宰 概要
Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate Microsoft Microsoft Certified: Azure AI Fundamentalsの上位資格です。機械学習の基礎的な内容に加えて自然言語や会話型AIをAzureに実装する能力が求められます。
Professional Machine Learning Engineer Google Cloud 機械学習分野の人材不足を目指して作られた認定資格です。機械学習手法の設計からモデル開発まで、専門的な能力が評価されます。
Machine Learning with TensorFlow on Google Cloud Platform Specialization Google Cloud Courseraで提供されている機械学習のコースです。GCPでTnsorflowを実装しながらニューラルネットワークの理論から実装までを学びます。
Professional Certificate Program in Machine Learning and Artificial Intelligence MIT Professional Education MITにより提供されている機械学習の認定プログラムです。コース毎に日数が設定され、16日分のコースを学習することで証明書を授与されます。
Machine Learning Stanford Online Stanford Univercity Stanfordが提供しているオンラインコースです。近年のアプリケーション開発に触れながら、機械学習と統計的パターン認識について幅広く学習します。
Professional Certificate in Foundations Of Data Science Berkeley UNIVERCITY OF CALIFORNIA Berkeleyが提供しているデータサイエンスのコースです。様々な事例からデータ分析及び機械学習の適用を学習します。同時にPythonによる実装も学びます。
MACHINE LEARNING Cornell Certificate Program Corenell Cornellが提供する機械学習のコースです。統計学の基礎からディープラーニングまでをPythonを使用しながら学んびます。
Certificate in Machine learning UNIVERCITY OF WASHINTON UNIVERCITY OF WASHINTONによって提供される機械学習のコースです。機械学習を数学的側面と応用的側面の両方から学習し、機械学習エンジニアに必要な能力を学びます。3つのコースを修了することで、プログラムの証明書が授与されます。
Professional Certificate
Data Science
HARVARD UNIVERCITY edXで提供されるHarvardのデータサイエンスコースです。統計、機械学習までを網羅的に学習することができます。また、プログラミング言語はPythonではなく、Rを使用します。
IBM AI Engineering Professional Certificate IBM Courseraで提供されるIBMのAIエンジニアプロフェッショナル認定です。Pythonを使用して機械学習の概念からディープラーニングまでを幅広く学習します。6つのコースを修了することで、証明書が授与されます。
IBM Data Science Professional Certificate IBM Courseraで提供されるIBMのデータサイエンスプロフェッショナル認定です。Pythonを使用して統計分析から予測モデリングまでデータサイエンス分野を中心に学習します。9つのコースを修了することで、証明書が授与されます。

海外資格取得のメリット

ここまで、日本語で受けられるAI資格と英語で受けられるAI資格を見てきました。恐らく、多くの方が国内資格を中心に受験しようと考えているかと思います。当然、海外資格は英語力が必須になるため、難易度が必然的に上がります。しかし海外資格にもメリットは存在します。ここではそのメリットを大きく2つに分けてご紹介します。

1.英語力の証明

英語力の証明と聞くと多くの方が、TOEICや英語検定を思い浮かべると思います。しかし、AIや機械学習の分野で使用される専門用語は通常の英会話では使用される機会はほとんどありません。海外資格を取得していれば、通常の英会話に加えて、その分野の話が通じる相手として評価してもらえます。国内資格ではこのような評価を受けることはできません。そのため、英語力と専門性の2つを同時に証明できることは大きなメリットです。

2.最新情報のキャッチアップが早くなる

AIや機械学習の情報は基本的に英語で記載されている場合が多いです。ライブラリの公式ドキュメントや、技術書などが該当します。日本語で記載されているものも存在しますが、それらは英語で記載された情報を元にしている場合がほとんどです。海外のAI資格を勉強している過程で、AI関連の情報を英語で取得できるようになれば、最先端の技術や論文をいち早くキャッチアップすることができるようになります。近年の機械学習分野の進歩は非常に早いです。その進歩についていけるようになることは非常に大きなアドバンテージを生み出します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本稿を通して、みなさんが自分にあったAI資格を見つけることができれば幸いです。資格だけでは機械学習エンジニアになることはできません。しかし、知識を得るための手段としてや、短期的な目標として、資格を友好的に活用することをオススメします。

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